2011年11月12日

elePHANTMoon「業に向かって唾を吐く」

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問題を抱えた生徒ばかりを受け持つ教師のもとに生徒の母親が訪ねてきた。
「生徒たちの成績が良くなってますがどういうことですか?」
母親の問いに一瞬理解ができない教師。
話を聞くと、生徒たちの成績が良くなり問題も起こさなくなっていることに対し、
その急な変わりように保護者たちは良い事のはずだが少し戸惑っているようだ。
今日は保護者を代表して自分が来たことを告げる母親。
とにかく不安がる母親を教師はやはり理解できないでいた。
(チラシより)

 ネタバレかもしれないが、宗教団体を扱った話だ。仏教系っぽい用語やお経(作中では「お言葉」と呼ばれている)が頻出するが、実態は金集めのためのエセ宗教団体であり、カルトというほどの重さもない、単なる詐欺だ。しかし一部の信者は本気で信じて、信じるが故に救われている。そして中には教祖以上の信仰心を持って、半ば本物になっていく信者もいる。上記のあらすじに出てくる教師は、そんな団体にのめり込んでいる兄と同居している。教祖たちも含めた宗教団体「ほほえみ」の中で一番純粋に信仰しているのがその兄だった。

 どうやら生徒たちが改心したのも宗教と関係があるようだが、その経緯ははっきり描かれない。また、時間軸もやや複雑なところがあり、恐らくは過去と現在が混じっていたと思う。さらにこの教師も元会社員で、その会社も何か怪しい。つまるところ、誰も彼もがちょっと変だ。宗教団体の中で行われている「浄化」の儀式は、ある意味ステレオタイプなほどグロテスクで気持ち悪かった。あれは生理的に受け付けない。暴力シーンもかなり迫真の演技で、これも見ているのが嫌だった。

 elePHANTMoonは前作「劣る人」がとても良かったので期待して観たのだが、そういう気持ち悪さが強く印象がに残った。役者はすごいと思う。けれどそのすごさは私には不快なだけで、せっかくの努力と覚悟が生かされていなかったと思う。もちろんあれが良かったと評する人もいるだろうけれど。

2011/11/12-19:30
elePHANTMoon「業に向かって唾を吐く」
サンモールスタジオ/前売券3000円
脚本・演出:マキタカズオミ
出演:永山智啓/江ばら大介/山口オン/菊地奈緒/伊藤毅/岡野康弘/小西耕一/立浪伸一/塚越健一/中村真沙海/成澤優子
舞台監督:西山みのり
舞台美術:袴田長武
照明:若林恒美
音響:星野大輔
イラスト:駕籠真太郎
制作:塩田友克


posted by #10 at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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