そこに立つことから始まる「風景」、(チラシより)
20年ぶりの東京・野外公演
ひとりで演劇を観に行く人がTwitterで繋がった「ひとりの会」のオフ会を兼ねて団体割引で観劇してきました。ひとりの会のオフ会って何か矛盾してる気もしますがそこは置いといて。会場は西武池袋本店4階まつりの広場。10月の屋外なのでそこそこ寒いものの、耐えられないほどではありませんでした。維新派を観るのはこれで2回目。しかし1回目も本公演というよりはコンパクトサイズで、今回も本物は犬島の方だと思うので、本物の維新派はまだ未体験というべきでしょう。いつかは犬島。
今回の犬島バージョンは入り江を使い、潮の満ち干を利用した演出だったそうですが、対照的に繁華街の池袋バージョンはおそらく日の入りを利用した演出でした。舞台の周囲にはちょうどそこから見えるビル群のミニチュアが並び、公演中にゆっくりと日が落ちて、暗くなっていきます。
それは幻想的ですが、残念ながら面白いとは言いがたいものでした。聞くところによると犬島では異常潮位で予定通りに潮が引かず、動きがとりづらく苦しかったとのこと。池袋ではそういう問題はありませんでしたから、意図した通りの作品ができていたはずだと思います。それにしては物足りない。そう、物足りなかった。せっかくあんなに凝ったミニチュアビル群を並べているのにそれは全然生かされていない。人の動きはマスゲームのようで綺麗ではあるが、維新派でなければできないものでもないだろう。音と光は美しかったけれど、もし維新派が本領発揮してこれだったら、そんなに根強いファンが生まれるとはないだろう。
技術的には決して低いレベルではないだろう。でも、これが維新派だ!とは言えないと思われました。
2011/10/09-17:00
維新派「風景画」
西武池袋本店4階まつりの広場/グループ割引4250円
構成・演出:松本雄吉
出演:岩村吉純/坊野康之/森正吏/金子仁司/中澤喬弘/井上和也/山本学/石本由美/平野舞/稲垣里花/江口佳子/尾立亜実/境野香穂里/大形梨恵/土江田賀代/近森絵令/吉本博子/市川まや/今井美帆/小倉智恵/桑原杏奈/奈良郁/松本幸恵/長田紋奈
音楽:佐藤武紀
舞台監督:大田和司
音響:田鹿充
照明:吉本有輝子
美術:木村文典
演出助手:中西美穂
宣伝美術:東學
宣伝写真:井上嘉和
ウェブ製作:中川祐司
協力:五十嵐大輔/池田剛/内田欽弥/柏木準人/金城恒次/白藤垂人/百々寿治/羽柴英明/富島美奈/中麻里子
制作:山ア佳奈子/清水翼