「それは私の名前じゃない」
橦木倶楽部
04/10/01-02
作:双身機関
演出;中村公彦
出演:みすず、佐伯智佳子、山本健太、杉本雅彦、山田マネナ、獅子見琵琶、奥谷なほみ、小川泉、藤城悠香、古屋彰久、中村真貴子、岡田菜穂子、岡嶋正恵、作野綾、作野謡、梅村貴志、楓子
ギリギリの演出だったと思う。決して奇をてらう訳ではなく演出によってそうなったという印象ではあるが。要は客席を舞台にしたというよりも舞台の中に客席を用意した感じ。
芝居を観にきたというより芝居を覗きにきた感覚にされてしまった。
でもギリギリだった、ついつい巻き込まれ参加しそうになった、芝居を壊してしまえる位置に客席があるというのは緊張感を通り越してストレスが溜まる。安全な場所からみせてくれないので臨場感や興奮と怖さが同居している。どうも芝居を観るという行為を特殊なことにされてしまった気もするが、実はこちらが正しいのかもしれない。
セリフは必要最低限、照明、音響にも無駄がない。それでも十分に考えさせるし伝わるのは表情や動きといった身体表現のすばらしさだろう。
正直あっという間に終わってしまった。もっと観てみたいと思わせるに充分な内容だった。
(しおこんぶ)