「だるまさんがころんだ」
天白文化小劇場
04/8/18-19
作・演出:坂手洋二
出演:中山マリ/川中健次郎/猪熊恒和/下総源太朗/大西孝洋/鴨川てんし/江口敦子/宮島千栄/Kameron Steele/Ivana Catanese/樋尾麻衣子/宇賀神範子/内海常葉/向井孝成/瀧口修央/工藤清美/裴優宇/桐畑理佳/久保島隆/杉山英之/小金井篤/亀ヶ谷美也子/塚田菜津子
派兵先の戦場で地雷原を歩き続ける自衛官コンビ、地雷入手の命令を親分から受け地雷を探す旅にでるヤクザ、地雷撤去に憧れを抱く女性の「冒険」、地雷製造会社で働く父親と家族の日常、増え続ける地雷のために村を追われた難民の物語……。
「地雷」をめぐる様々な物語が交錯する。いま、名前や形を変え世界中に存在する子供達の遊び「だるまさんがころんだ」が、戦場の現実を堪え忍ぶ人々の祈りとして再生する……。
戦争という大きな枠組みではなく戦争兵器である地雷という絞込みをしたことで、より具体的で現実的に感じることができた。重たい話のように思えるがシンプルで非常にとっつきやすい作品だと思う。(ただし、心臓の弱い人にはお勧めしない)
当日のリーフレットに「多くの嘘のような事実によって構成されている」とあり、笑えない現実を突きつけられ背筋が凍るような思いがするが、ラストシーンを観ていると世界平和は決して難しいものではないと目頭が熱くなった。
個人個人は仲良くできるのに、国と国は仲良くできない、現実の馬鹿馬鹿しさに憤りを感じずにいられなくなった。
今後、数百年、数千年に渡って世界各国で上演して欲しいと思う良作。
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(しおこんぶ)
(#10注:出演者の裴優宇さんの「裴」は正しくは亠が非の上にある字体ですが、JIS外のため裴で代用させていただきました)。