2004年08月15日

Tres production「スロウ・カーヴ」

Tres production
「スロウ・カーヴ」
K.D Jaopn
04/08/12-13
作:吉村八月
演出:深未ゆえ
出演:あおい/大塚峰春/加藤裕子/木村仁美/田中美和/とみィ/茂手木桜子/渡辺真輔


『ドッグ・ハウス』取り壊されることになった家にまつわる記憶と今の自分達。
『ネームド・エリック。(エリックと呼ばれて)』奇妙なあだ名の由来と二人の関係。
『五年ぶりにセックスした。』飲み会で意気投合した変な女とホテルに行った話。
『アルファロメオ・ジュリエッタ。』外車のエンブレムを盗んでまわった小学生の頃の思い出。
『オーファンズ。』反目しあいながらも似ている異母姉妹。
・・・ちょっと切なくほろ苦い、だけど心温まる5つのエピソードから成る朗読劇。

 会場となったK.D Japonは鶴舞駅近くのガード下にある、こじんまりしたカフェバー。ライブハウスとして使われることの多いこの店は、動き回る芝居には少々狭すぎる代わり、このような朗読劇にはちょうどよいサイズ。普通の演劇とはかなり趣向が違うものの、なんとも心地よい空間が創られた。

 どの役者も実にいい声をしていた。声に表情があるとはこういうことかと感心する。会場がガード下のため、数分おきに頭上を電車が走る音がするのだが、それで聞き取りづらくなることは皆無だった。また、3次元的な構造を持つ会場をうまく使い、役者は前後左右上下に陣取る。役者が客席を囲む形で配置されることで、否応なく作品の空間に飲み込まれていく。

 舞台と客席の境界が曖昧なことに加え、多くの演劇関係者が客として集まっていたのが印象的。贅沢な時間を過ごすことが出来た。

(#10)
posted by #10 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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