劇*コトノス
「我等の騎士と錬金術師」
スタジオ・座・ウィークエンド
04/07/10-11
作・演出:アイウカオ
出演:河井千恵/西口貴之/小川裕子/河野佑三子/SA-JI/穐山すずか
処刑台から生まれたあやかしの少年が、喋る鳥キカに招かれて女錬金術師ロコのもとで暮らし始める。彼の姿が見えるのは、ロコとキカだけ。ヤズミンと名付けられた彼は、いつか自分を人間にしてくれたら彼女の騎士になると誓うが・・・。
中世ヨーロッパをイメージしたファンタジー調の物語。こういう設定は下手に凝った演出をすると滑稽になるが、控え目でよくまとまっていた。舞台装置は3つの木箱と背景の柵だけだが質感が良く、衣装もシンプルながら各キャラクターのイメージにピッタリで雰囲気が出ていた。
ただ、物語は微妙。少年の正体やロコの秘密は結局はっきりしないままだし、吟遊詩人はどういう存在なのかわからない。思わせぶりな雰囲気だけで真実は特にないという可能性もあるが、そうではない気がする。あと2回くらい観れば納得できるかもしれないのだが、消化不良気味。
錬金術師を演じた河井千恵が良かった。彼女の出演作は過去に少なくとも3回は観ているはずなんだが、あまり印象に残っていない。今回は役に恵まれたからかもしれないが、次回作も観たいと思わせる出来だった。
2004年07月11日
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タイトルに我等の騎士とあるが全然「我等の」という感じがしなかった、つまりヤズミンというキャラクターに共感できる部分が少ないため、目立ったのはロコだけという形になってしまったのではと思う。
魔女狩りで変わり者の女性が殺されてしまったというストーリーにとどまってしまったようでどうにも釈然としない。