「アジサイ光線」
七ツ寺共同スタジオ
04/06/11-13
構成・演出:天野天街
出演:夕沈/白鴎文子/丹羽純子/田村愛/松久聖子/ひのみもく/珠水/蓮子正和/川合喜之/いちぢくジュン
“夕沈ダンス”とあるように、筋のある芝居ではなくダンスパフォーマンス。普通の芝居の中でもダンスが使われることが多いが、それだけを抜き出してひたすら踊りつづけたような作品。
少年王者舘の作品はそう多く観たわけではないが、一度観たら確実に印象に残る、非常に特色のある舞台だ。中でもダンスは癖になる無気味さをかもしだし、群舞の魅力を存分に味わえる。シャキシャキした奇妙な動きも、集団で揃えることによって何か芸術的な雰囲気が生まれる。
ただ今回思ったのは、ダンスだけでは飽きるということだ。インパクトはあるのだが、やはり芝居としての筋立てがあってこそダンスが生きてくるのではないか。どうやら筋はなくても状況設定はあるようなのだが、それだけでは物足りない。次回はやはり普通に(?)芝居を観たいと思った。
大人数でダンスするならば、もっとピッタリ合わせて欲しかった。完成度という点では中途半端な印象をもった。
あの独特のダンスは合う合わないがはっきりしていそうで、いちぢくジュンさんなどにはいかにも窮屈な感じでなんとも不恰好だった。キャスティングにも問題があったのではと感じてしまう。(けしていちぢくさんに問題がある訳ではなくあくまで演出上の問題)
まぁ、恐らくは期待していたもの(演劇を観るつもりだった)と違っていたのが最大の問題だと思う。