2004年02月16日

演劇人冒険舎「エレクトラ」

演劇人冒険舎
「エレクトラ」
千種文化小劇場
04/2/13-15
作:ソフォクレス
訳:山形治江
演出:木崎裕次
出演:伊藤順一/松島宏至/東方るい/古田裕子/内藤美佐子/横井れい/和田誠/山崎リエ/内ヶ島寛美/伊藤香織/尾方香苗/粉川明子/佐藤実由妃


 ギリシャ三大悲劇詩人の一人であるソフォクレスの作品。実の母親とその愛人によって父親を殺された娘エレクトラが、弟と共に復讐を果たす。ギリシャの円形劇場に似た舞台配置を持つ千種文化小劇場をうまく使った公演だ。現代風の脚色や翻案を加えることもなく、原作通りに演じられていた。

 小劇場でギリシャ劇が演じられるのは珍しいが、こういった古典の上演はもっと増えて良いのではないかと感じた。

 現代劇を見慣れていると、古典戯曲はかなりベタなものだ。セリフは長いし感情表現はやたら大袈裟。それでいて結末に意外性はない。しかしもちろんそれは演劇の原点であり、現代劇はそういう作品を踏み台にして発展してきたはずだ。むしろ現代劇の方がひねりすぎとも考えられる。エンターテイメントとしては弱いかもしれないが、基礎としては大事だ。

 劇団の実力を測る上でも古典の上演は有意義だ。初めからネタバレしているのだから、たとえ展開や結末がベタでなくても意外性でひきつけることは期待できず、役者や演出の技術が前面に出ることになる。現代劇でも新作でなければ同じことが言えるが、古典の場合は小説のように出版されていることも多いから特にその傾向が強い。

 そこで今回の芝居はどうだったかというと、70点くらいの出来栄えだったと思う。エレクトラ役の声が枯れ気味で、途中からセリフのトチリがやや多いのが気になった。またオレステス(エレクトラの弟)を演じた役者も未熟な印象を受けた。しかし難点はそのくらいで、あとは堂々たるものだ。舞台装置はシンプルだが的確な作り方で、そこに質感を与える照明の使い方が巧かった。

 演劇人冒険舎にとってギリシャ劇の上演は初挑戦とのことだから、他の劇団にも挑戦してほしい。


posted by #10 at 03:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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