2004年01月20日

E-style「ego trip」

E-style
「ego trip」
スタジオ・座・ウィークエンド
04/01/17-18
作・演出:遠藤のりあき
出演:小川麻美/竹越葉子/清水やすひろ/今枝千恵子/あやな/大友麻由子/諸富真吾/磯部うに/足立盟/遠藤のりあき


 歴史から抹消された“戦争”−−。ある日突然携帯にメールで召集令状が届けられ、逃げれば死刑? 意味のわからない殺戮、生と死、孤独と愛情と裏切りと友情と、自分探しと。出会った二人が友に逃げ、たどりつくのは。

 背景と衣装が黒だけで統一され、小道具は椅子のみというシンプルな舞台。大道具が皆無のため、パントマイムのような演技ですべてが表現される。この手法は昨年5月に本作と同じ遠藤のりあきが演出した「ぐる∞ぐる」でも用いられていたもので、舞台に袖がないため役者は最初から最後まで息が抜けず大変だろう。
 ちなみに私が遠藤のりあき演出作品を観たのはこの2回だけなので、ひょっとしたら彼の作品は常にこのスタイルなのかもしれないがそれはわからない。

 さて、パントマイムのような演技は役者の技術だけでなく観客の想像力も求められる。通常の演劇で場面ごとの背景や役柄ごとの衣装を使うのは、視覚的に状況説明してくれる働きがあるからで、それらを捨てた芝居においては観客が頭の中で想像を加えて再構成しなくてはならないからだ。

 今はどの場所で、誰が何をしているのか。それらを理解するために知恵を働かせることを観客に求めるのなら、そこで表現される内容は通常の演劇よりシンプルにする必要があると思う。そうでなくては疲れてしまう。

 そういう意味では、本作の内容はあまりにも複雑すぎたのではないか。物語の背景となる社会情勢を理解するのに一苦労。複雑に絡み合った人間関係を把握するのにまた一苦労。というより把握しきれなかった。せめてパンフレットに人物相関図でもあれば良かったのだが。戦争がなぜ起きたのかもよくわからなかった。

 役者の演技はよくがんばっていた。このスタイルでもう少しゆったりしたテンポの、落ち着いた芝居が観てみたいと思った。


posted by #10 at 02:33| Comment(1) | TrackBack(0) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
平和であった日常からある日突然、意味も理由もわからず戦争という非日常の中に放り込まれてしまったら?進んで戦争に参加するもの、戦争から逃げようとするもの、、、
主要な登場人物にさまざまな嗜好があり個性があるので役者さんからすればやりがいのある作品だったのではと思います。
観る側からすれば背景とする部分に不明点な多かったので今一芝居に入り込めないといった所でしょうか。
個人的には竹越葉子さんのごはんですよパンを食べた時の表情がリアルで非常に上手いなと思いました。
Posted by しおこんぶ。 at 2004年01月29日 21:25
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