主人公を始め、名前の出てくる登場人物は役者の名前のまま出演していたようだ。千葉おもちゃは以前一度、クロム舎の「暗い日曜日」という芝居で観たことがあり、怪演ぶりが印象深かった。今回は駅前のポスターで彼女の名前を見つけたので足を運んだのだが、まさかタイトルの“おもちゃ”が彼女のこととは思わなかった。
千葉おもちゃにスポットを当てた作品だが、描いているのは生まれ変わりの人生が大半であるため、伝記というわけではない。『暗い日曜日』の時と違い、非常識な他者に振り回される常識人のような人物像であるが、それでも怪優ぶりが感じられた。
ただ、最後に本人の挨拶のようなセリフがあったのは少々興ざめ。本当の挨拶なら良いのだが、それともちょっと違う感じだった。むしろ、あたかも千葉おもちゃという女優は架空の人物であるかのように描ききってもらった方が良かったと思う。
2006/08/19-19:30
企画室ブルート「おもちゃの一生」
OFF・OFFシアター/当日券2400円
構成:皮村猛/清水徹也/松下千暁
総合演出:西山聡
出演:武藤心平/千葉おもちゃ/清水徹也/松下千暁/粳田大祐/皮村猛/古市海見子/柿弘美/神原哲/松下幸史/ハセガワアユム/山内一生/新宿3丁目