2011年09月24日

オイスターズ「雑音」

zatsuon.jpg


 家にネズミがいるような気がして、天井裏を覗いてみた。
 海で写真を撮ったら、いないはずの妹が満面の笑みで写っていた。
 韓国料理屋に入ったのに、メニューに韓国料理がない。
 解決するため、妹はいないけどバイト先までタクシーに乗って、
 男たちが八事霊園をさまよう。

 不条理劇だ。意味があるのかないのかわからない。もしかしたら全体を通じて深遠なテーマが描かれているのかも知れないが、多分違うだろう。どこかズレている人々がズレた会話を繰り広げる。こういう不条理系の演劇は最近少なくなってしまった。楽しめるか楽しめないかが大きく分かれる作風だと思う。

 ダラダラした会話と言えばヨーロッパ企画とかあひるなんちゃらが思い浮かぶが、オイスターズのそれは状況設定そのものがグダグダなので、次第に世界が破綻していくようなダラダラさだ。典型的なのは車に乗っているシーンで(大道具は無いので全部マイムで表現)、車の座席配置を完全に無視した位置に並び、演劇のお約束をさりげなく壊していく。そして、主人公の会社の女の子がたまに登場して、舞台上に描かれた世界全体をぶったぎるように過ぎ去っていく。

 この劇団の作品を以前観たのはカラフル3での「トラックメロウ」で、あれは単純に面白く楽しめた。今回の「雑音」は、それに比べるとちょっと間延びした印象がある。長く間を置く演出は、にぎやかな流れの途中でたまに使われると面白いのだが、あまり多用すると作品全体が眠いものになってしまう。時にはスピーディな展開も交えるともっと良かったのではないだろうか。正直少し寝た。

2011/09/24-19:30
オイスターズ「雑音」
こまばアゴラ劇場/当日券2800円
作・演出:平塚直隆
出演:中尾達也/平塚直隆/山田マキオ/田内康介/河村梓/伊藤寛隆/吉田愛/二瓶翔輔/高瀬英竹
舞台監督:柴田頼克
照明:今津知也
音楽:青井美都/河村梓
音響:田内康介
宣伝美術:奥田マニファクチュア
制作協力:加藤仲葉
劇団スタッフ:古川聖二/新美要次


posted by #10 at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック