2011年08月13日

キリンバズウカ「マッチ・アップ・ポンプ」

matchappomp.jpg

日本のオヤジは強くて弱い。
だから哀しいでも優しい。

男ってのはどうしようもない生き物だとお母さんが言っていた。
そんなどうしようもない生き物と結婚したお母さんの方がどうしようもないんじゃないかと私は思った。
お母さんが家を出てからもう10年近く経つ。
最近はお父さんの顔をみるだけで腹が立つ。
これはどうしようもないくらいにくだらなくて
だけど愛しい我が家のお話。
(チラシより)

 田舎の大きな家に住む父と娘。娘は二浪中の受験生。母は男を作って出ていき、兄は行方不明、山火事で死んだかも知れない。元彼のような違うような男、仲がいいかどうか微妙な友達、父親とできてるっぽい家庭教師‥‥

 キリンバズウカの作品を観るのは初めてです。「軽くて重たい人間関係を独特の言語感覚で描く」というチラシの言葉はまさにその通り。重い話を笑い飛ばすのではなく笑いで包み込むような舞台でした。とても楽しく観劇したけれど、決して単なるコメディではなかった。

 お父さんは娘の知らない所ですごく頑張ってる。暴力を振るっていた兄にも葛藤があったし、堕落した生活を送ってる友達も実はすごく悩んでいる。でも、迷いや後悔や哀しみをたくさん抱えているからといって、ずっと暗い顔で暮らしているわけにもいかない。日常生活ではそれなりに愛想よくしたりギャグを飛ばしたりして過ごしている。立派ではないがそんなに悪いわけでもない登場人物たちの滑稽な振舞いは、温かい目で見守りたくなる。

 改めて書きだすとずいぶん重い話だ。でも舞台は始終笑いであふれていた。作演出も役者も、本当に巧みで素敵だと思う。

 主人公の友達を演じた渡邉とかげが特に秀逸だった。この人は観る度にどんどん良くなっていると思う。今後も期待したい。

2011/08/13-19:30
キリンバズウカ「マッチ・アップ・ポンプ」
アルテリオ小劇場/当日券3500円
脚本・演出:登米裕一
出演:内田周作/小笠原結/根岸絵美/平田裕一郎/深貝大輔/田中こなつ/金丸慎太郎/渡邉とかげ/日栄洋祐
舞台監督:佐藤恵
舞台美術:青木拓也
照明:吉村愛子
音響:星野大輔
音楽製作:碇英記
宣伝美術:[図案]安藤理樹、吉田能/[撮影]石澤知絵子/[メイク]西村裕司、安藤徹哉
衣装:飯田裕幸
演出助手:小林義典/山口千晴
制作:安井和恵
プロデューサー:福岡佑美子


posted by #10 at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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