2011年07月08日

ハイリンド「牡丹燈籠」

botandourou.jpg

幼き頃殺された父の仇敵を果たしたい孝助は、
武家である旗本・飯島平左衛門の屋敷に拾われ、日や奉公と修行に励む。
親子と違わぬ情けと信頼で互いの絆を深め合う二人であったが
主の飯島平左衛門こそ、孝助の父を殺めたその人であった。
二人に訪れる義理義理の関係。
一方その飯島平左衛門の娘・お露と浪人・萩原新三郎。
一度の出会いで互いに強く惹かれ合い、想いを募らせてゆく。
夜な夜な燈籠片手に新三郎の元に足しげく通うお露。
逢瀬を重ねる新三郎は、彼女が既にこの世の者でない事など露知らず…。
複雑に絡み合う因果。
壮大な大河ドラマが最後に見せる鮮やかな顛末やいかに。
(チラシより)

 言うまでもなく江戸時代に書かれた落語の舞台化だが、落語の持つ展開の小気味良さと舞台のビジュアルの楽しさがうまく融合した、観ても聴いても面白い作品に仕上がっていた。ハイリンドとしての初演は5年前で今回が再演とのことだが、何度でも再演できる作品だろう。

 飯島平左衛門と孝助・お国と源次郎・お露と新三郎・伴蔵とおみね、それぞれの人情劇が並立しつつ絡み合っているため、全体像はかなり複雑だ。それを2時間程度に収めつつややこしさを感じさせなかったのは、もちろん原作の巧みさもあるだろうが、口上による説明と役者による演技のバランスの取り方が良かったからだと思われる。エンターテイメントのツボをきっちり抑えた構成と言えるだろう。

 しかし観ていて一番驚いたのは、多根周作が飯島平左衛門とおりえ(孝助の母)の二役を演じた点だ。この二人を同じ役者が演じたのはすごい配役ではないだろうか。おりえが登場するシーンではすべての女優がはけているのだから、普通だったら女優が演じるだろう。そこをあえて、孝助の仇敵である平左衛門と同じ役者を使った妙技と、見事に演じた多根周作の力量に脱帽だった。

2011/07/08-14:00
ハイリンド「牡丹灯籠」
d-倉庫/前売券3500円
作:三遊亭円朝
構成・演出:西沢栄治
出演:伊原農/枝元萌/多根周作/はざまみゆき/小林愛/阿川竜一/鬼塚俊秀/牛水里美/田中千佳子/小豆畑雅一
舞台監督:井関景太/鈴木晴香
照明:石島奈津子
音響:平井隆史
舞台美術:向井登子
衣裳:阿部美千代
殺陣指導:清水大輔
振付:若柳絵莉香
宣伝美術:西山昭彦
スチール:夏生かれん
撮影ヘアメイク:田沢麻利子
Webデザイン:薮地健司/夏子
ハイ友:門馬勝貴
企画・製作:ハイリンド
制作:石川はるか


posted by #10 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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