どれくらいの見込みで雨が降るか?(チラシより)
がん患者がどれくらい生き延びるか?
今から乗る飛行機が墜落する可能性はどれくらいなのか?
為替相場、偏差値、ギャンブル、そして恋愛まで。
現代社会は「確率」の計算で占められている。
そして、我々の人生のレールは、「確率」の枕木の上に敷かれているのだ。
『確率論』──それは偶然の未来を覗き見ようとする人間の欲求。
空港の出発ロビーで偶然出会った小説家と数学者の会話劇。消息を絶った飛行機が事故に遭った確率は? 自分が関わった人が不幸になるのは必然か? 二人芝居というのは一人とも三人以上とも違う独特の緊迫感がある。この作品もとても尖った印象を受けた。
感情的な女性作家と冷静な男性数学者という、ある意味ステレオタイプな登場人物だが、物語が進むに連れて両者のキャラクターは多少混沌としてくる。随所にはさまれた数学概念はさほど難しいものではないが彩りには十分だっただろう。
なかなか面白い戯曲なので、他の役者や演出家による舞台も作ってもらいたいと感じた。多分、全然違ったものが多数できるのではないだろうか。
余談だが数学者役の須貝英はちょっと丸顔すぎな気がする。まったくステレオタイプな偏見だが、数学者はもっと骨ばった顔のイメージなのだ。もしかしたら二人を逆にしてもいいのではないだろうか。
2011/06/26-17:30
岡田あがさ×須貝英「確率論」
SPACE雑遊/前売券2500円
脚本:三宅伸行
演出:倉本朋幸
出演:岡田あがさ/須貝英
舞台美術:原田愛
音響協力:佐藤こうじ
舞台監督:本郷剛史
制作:会沢ナオト
Web:小林タクシー