2011年05月22日

趣向「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」

kaitaisareyuku.jpg

とある大学。毎年、多くの女子学生が入学してくる。
ある学生は希望を持っている。彼女はこれから始まる日々を心待ちにしている。
ある学生は失望している。彼女は思っている。「これから始まる日々は、ちがう」。

彼女たちに時間が流れる。
歴史を数学を哲学を文学を、学ぶ間に時間が流れる。

校舎のなかに体育館がある。やがて壊される予定の、やわらかな光のはいる体育館。
彼女たちのうちの一人はとてもとてもその場所が好きで、
彼女は何かをしようと考えて、考えて、考えて、いる。
(チラシより)

 たぶん、お嬢様が集まる女子大だろう。ヨーロッパの高名な建築家にデザインされた体育館。解体されると聞いて反対運動を起こす。少しずつやり方を学んで、何もできなかった女の子が力強く自分の足で立つようになる。

 KAATの広い舞台に何も置かず、白い服を着た裸足の女性が走り抜けて物語を紡ぐ。舞台装置や照明、音楽といった演出手段にはほとんど頼ることなく、女優たちのエネルギーだけで舞台を埋めようとするかのような演出だった。それは奏功しており、豪華なセットを組むよりずっと印象深いものになっていた。

 物語はなんだか痛々しい。青春群像と言ったら陳腐すぎるだろうか。希望に満ち溢れているというよりは、不安を取り除くことに必死になっている若者たちの姿だ。自分の学生時代とは色々と違うけれど、共通するものがないわけではない。子供から大人に変わる時期、高揚感と焦りが混在する心境、時間はどんどん流れていく、おっかなびっくり踏み出してみる、あの頃の感覚がよみがえってきた気がした。

2011/05/22-18:30
趣向「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」
KAAT大スタジオ/当日券3000円
作:オノマリコ
演出:黒澤世莉
ドラマトゥルク:小栗剛
出演:岩井晶子/上村正子/菊池美里/窪田優/熊川ふみ/サキヒナタ/清水久美子/辻村優子/米沢絵美

出演:照明:和田秀憲
音響:鶴岡泰三
舞台監督:桜井健太郎
宣伝美術:杉崎壮一/原瑞穂
衣裳:富永美夏
演出助手:原田優理子
制作:浅見絵梨子


posted by #10 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。