散歩道楽が毎月1本ずつ再演していく企画「サンポジウム」の2本目。この作品は2001年に書かれたものとのこと。宇宙という壮大なスケールのタイトルで、親戚の近況報告みたいなエピソードが続きます。
ある集会所の一部屋を舞台にしたワンシチュエーション作品ですが、正面の他に左右にも客席が置かれていました。そのためか、中央にある机の周りに座る時も全員が客席を向くような不自然な配置は取らず、ずっとこちらに背を向けていることになる人物もいました。その人物も別の角度からはちゃんと顔が見えているわけで、自分から見えなくても見えている観客がいるという意識が、心理的に舞台の全方位感を与えていた気がします。
物語は基本的にいとこ達の会話で進みますが、恋愛や結婚にまつわる様々な段階の人が揃っています。時にぶつかりあうこともありながら、親戚や幼馴染みという付かず離れずの関係と、懐かしい田舎という空気が終始優しく包む空気が出ていました。
事件というほどではないハプニングを絡めながら、特にクライマックスを迎えるでもなく穏やかに幕を閉じるウェルメイドな作品でした。
2006/07/01-14:00
タテヨコ企画+散歩道楽「宇宙も終わる」
サンモールスタジオ/前売券2500円
作:太田善也
演出:横田修
出演:川原安紀子/舘智子/竹原千恵/藤崎成益/好宮温太郎/川原万季/工藤治彦/いしいせつこ/太田善也/青木亜希子