何も予備知識を持たずに観に行ったので、その小難しいセリフの数々は単に雰囲気を出すための演出くらいにしか思いませんでした。しかし実際は30年以上前に書かれた戯曲であり、その当時の時代が持つ空気をそのまま反映した言葉たちだったようです。
舞台左手の壁に掲げられたディスプレイには4分割された映像が写されています。そのうちひとつはあらかじめ撮影されていたらしき映像のループで、他の3つは舞台のどこかに設置されたカメラからのリアルタイム映像。ただこれらの映像にどれだけ注意を払うべきか分からず、とまどいました。
何かすごいことが目の前で繰り広げられているようでいて、それが何なのか伝わってこないもどかしさを始終感じる舞台でした。それが戯曲の古さによるものか、それとも演出のあざとさによるものかは私には判別しかねますが。
2005/02/19-14:00
ク・ナウカ「ぼくらが非情の大河をくだる時」
ザ・スズナリ/当日券3500円
作:清水邦夫
演出:仲田恭子
出演:大道無門優也/中野真希/大内米治