あのときの、(チラシより)
一台の車にまつわる物語を、俺は語るだろう。
視点が変われば観点が変わり、歩む道が変わる。
「言葉の裏を読もうとしないで。そのままの意味で受け止めてくれたらいいんだから」
ってあいつが言った。けど、あんまりピンとこない。
車は今も倉庫に眠っている。
乗ってないのに毎年自動車税を支払うのが歯がゆい。
グラントリノみたいな車だったらまだしも、
俺の車は軽トラなんだぜい。
売込隊ビームはこの公演をもって“充電期間”に入るため、充電前最終公演と銘打たれている。しかし充電の完了がいつになるかは未定なので、最終公演になってしまう可能性もあると思われる。だから観に行ったというわけではないが、やはり何となくそれを意識しながら観劇したのは事実だ。
しかし作品の中身は特に最終公演っぽい特別なことはなく、いつもどおりの売込隊ビームだった。これまでいつも大阪の比較的広い舞台で観ていたので、「劇」小劇場という東京の小さな舞台はちょっと違和感もあったが、小さいなりに合わせたほどよい演出ができていたと思う。
売込隊ビームの作品はだいたいいつもポップに始まってダークに終わる。それは判っているはずなのに、やっぱり最初のポップに騙される。というかその事自体、知人に指摘されるまで気づいていなかった。いつもまんまと騙される自分は幸せな観劇者に違いない。
2011/04/23-18:00
売込隊ビーム「俺のカー・オブ・ザ・イヤー」
「劇」小劇場/当日券3200円
作・演出:横山拓也
出演:山田かつろう/宮都謹次/杉森大祐/草野憲大/竹田桃子/平地恵/辻るりこ/小山茜/三谷恭子/行澤孝/津留崎夏子
舞台監督:武吉浩二
舞台美術製作:永易健介
舞台美術デザイン:清花也
音響:佐藤真弓
照明:葛西健一
宣伝美術:下元浩人/御橋義人
写真:堀川高志
衣装協力:植田昇明
制作:売込隊ビーム/笠原希