
インスタントコーヒーと昔恋人にもらったファイアーキングのマグカップ。(チラシより)
趣味に一貫性のない大量の本と、かつてカウンターカルチャーだったやはり大量のCD。
モンティ・パイソンのビデオとトレインスポッティングのポスター、
録りためたディスカバリーチャンネルのドキュメンタリー。
締切、原稿用紙、朝焼け、電話は鳴らない、春夏秋冬。それが今の生活の全て。
作家が「今ここにいる自分は、自分ではない」と気付くのは、それからほんの少し後のこと。
小説家を主人公とした舞台。男女バージョンがあったようですが女性作家バージョンを観てきました。正直に言うと女性作家を演じただてあずみ。さんと友達だったからですが、それはさておき。
書けなくなってしまった作家と、見守る編集者と、作品の登場人物たち。“現実”と“作品の世界”が交互に描かれていきますが、途中から作家自身が作品世界に引きずり込まれて・・・という展開。
セリフ回しがとても小説的で、ちょっと舞台演劇の手法とは違う印象を受けました。眼を閉じていたらリーディングを聞いている感覚になったかもしれません。小説と小説家にまつわる話だからわざとそうしてるのかと思いましたが、聞くところによると今回に限らないそうです。これはこれでアリかもしれませんが。
新宿眼科画廊で観劇するのはこれが初めてですが、思った以上に小さなスペースでした。恐らく通常は入口側を客席、奥側を舞台にするのだと思いますが、今回は壁際を客席、中央というかほぼ全体を舞台にしていました。小劇場ならではの使い方ですが、それはうまくいっていたと思います。
2011/04/02-14:00
Minami Produce「とても個人的な物語」
新宿眼科画廊/前売券2500円
脚本・演出:南慎介
出演:だてあずみ。/芝原弘/浅見臣樹/大塚友里衣/石井舞/窪田壮史/チバアカネ/竜史
舞台監督・照明:山岡祐子
音響:齋藤貴博
演出助手:根本沙織
制作協力:池田知哉
フォト:小禄慎一郎
デザイン・Web管理:堀口節子