
千代子、ふたたび。(チラシより)
原作はアニメーション映画で、映画と現実を縦横無尽に駆け巡る女優が主人公。アニメであれば、場所も時間も自在に超越できるが、それを舞台で再現するなどというのは普通不可能だと考える。それをやってのけたのがこの作品。
もちろん装置や衣装をそんなに素早く変えられるわけがないので、主に二つの技法を使っている。ひとつは、あらゆる物を役者の体で表現するパワーマイム。そして多種多様な人物を少ない役者が次々に演じるスイッチプレイ。
どちらも演出の末満健一がかつて所属していた惑星ピスタチオが特異としていた技法だが、非常に高い役者の力量が要求される演出だと思われる。その要求に十二分に応えているこの5人は何者なのかと驚かされる。
視覚的に制限が多い分、音響効果はかなり多く使われている印象があった。いじわるな見方をすればそれは音響に頼っていると言えるだろうが、舞台装置や衣装に頼れないことを考えれば妥当な頼り方だろう。いずれにせよ見ごたえのある舞台だった。
2011/02/19-14:00
TAKE IT EASY!「千年女優」
シアターグリーンBIG TREE THEATER/前売券3800円
原作:今敏
脚本・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
出演:清水かおり/中村真利亜/前渕さなえ/山根千佳/立花明依
舞台監督:久保克司
舞台美術:堀容子
照明:大塚雅史
音響:児島塁
ヘアメイク:KOMAKI
衣装:ヨダミカ
宣伝写真・記録撮影:堀川高志
撮影協力:竹崎博人
パンフレット編集・ライティング:吉永美和子
パンフレットデザイン:北村美沙子
アシスタントプロデューサー:寺井ゆうこ
宣伝美術・プロデューサー:水口美佳