2011年01月29日

ハイバイ「投げられやすい石」

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美大生時代に「天才じゃ天才じゃ」と言われた佐藤君と、
その友人のいたって凡人、山田
ある日、佐藤が忽然と姿を消す。

「海外に修行に行った」

「あまりの芸術性の高さに発狂した」

「もともといなかった。」等の適当な憶測が飛び交うが、

誰も事実を知らずに年月だけが過ぎる。
そして2年後のある日、山田は佐藤に呼び出される。
「会って、話したいことがあ る〜ん」
受話器越しの声に、不安にかられる山田
しかし行くしかない。
約束の場所に着くとそこには変わり果た佐藤の姿。
なんとか会わないで逃げ出したくなる山田!

才能を持つ者、持たなかった者、失った者、の間を愛と打算
ビュンビュン飛び交う。
ラヴストーリー
(チラシより)

 青春ラヴストーリーじゃないだろう。最初の短いシーンでは、新進気鋭のイケてるアーティストとして佐藤が登場する。そして再会のシーンでは、何かの病気でやつれてしまったような姿。体もさることながら心がすっかりやつれてしまっている。その対比がなんとも激しい。

 昔世話になったことのある友人だから突っぱねて帰るわけにもいかない山田の戸惑い。後はひたすら、あちゃー、うわー、帰りてーという山田の心の叫びを舞台全部で表現したような作品だ。ひたすら気まずい、居心地の悪い雰囲気。

 佐藤のボロボロっぷりを鑑賞すべきなのか、山田の優しさに関心すべきなのか、観客としてどこをどう評価したらいいかわからない話だ。ただ、そういう複雑な心理を表現する役者の演技力あるいは演出の工夫は見事なものだ。

 毒々しい世界の味を楽しめる人なら楽しめるだろうが、痛々しく辛かったというのが私の正直な感想だ。技術の高さは認めたい。でも観ていて楽しくないのだ。

2011/01/29-18:00
ハイバイ「投げられやすい石」
こまばアゴラ劇場/当日券3500円
作・演出:岩井秀人
出演:松井周/内田慈/平原テツ/岩井秀人
照明:松本大介
音響:中村嘉宏
舞台監督:谷澤拓巳
衣装:小松陽佳留
演出助手:郷淳子
宣伝美術:土谷朋子
記録写真:曳野若菜
制作:三好佐智子/藤木やよい/吉田直美


posted by #10 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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