異母姉妹の父親が死んだ。後妻の娘が遺品を持って姉の家を訪ねると、姉は少女趣味の服でお菓子ばかり食べている。そして、その広い家を下宿として貸す相手が今日来るのだと言う。やがてやって来た下宿希望の女達は、みな複雑な事情を抱えていた。彼女達を巻き込んで、姉はある計画を立てていたのだが‥‥
ほぼ女性ばかりの舞台で、美しい狂気が描かれる。いや美しくはないか? 姉が何をたくらんでいるのかはかなり最初の段階でにおわせるセリフがあるので、それ自体は特に意外ではない。むしろ、下宿希望の女達の過去や現在の状況がそれぞれ語られていく中での互いの攻撃と牽制の応酬にゾクゾクした。
まったく違うタイプの女性5人が登場するが、いずれもはまり役と思える好演だった。舞台だけ観ていると役者の素かと思うくらいだが、チラシに載っている写真と印象が違う人も多い(特に本多さんと大村さん)ので、それぞれ上手に役作りしたのだろう。賞賛したい。
一部、役者が歌を歌っているのに別の曲が流れている部分があるなど、音響がでしゃばっている感じがする部分があった。緊迫した場面にBGMはいらないと思う。それ以外の演出は良かった。
2005/02/05-19:00
クレネリ・ZERO FACTORY「乙女の国」
下北沢駅前劇場/当日券3500円
作:大岩真理
演出:若月理代
出演:佐藤真弓/高橋理恵子/ほりすみこ/大村美樹/本多真弓
2005年02月05日
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