2011年01月22日

ehon「SWEETS」

sweets.jpg

 一人目の父親が行方不明になってから、ぼくは部屋に引きこもり、モンスタークレーマーになった。
 二人目の父親が行方不明になってから、連れ子だった姉は滅多に家に帰らなくなり、耳の聞こえない恋人に罵声を浴びせるようになった。
 三人目の父親がやってきてから、母さんは風水や妙なセミナーにのめり込み、家に他人を出入りさせるようになった。

 ドロドロに甘いお菓子の家に住むぼくの家族は、訪問医師やセミナー講師、ルポライターを巻き込んで、ぼくを家から出そうと、殺し合いを始める。泣きながら。

 死亡したのは3.5人、死体は5つ。
 どこにでもあるような家族のどこにでもあるような、愛を言い訳にした、“何か”のお話。
(チラシより)

 メタリック農家の主催だった葛木英が新たに立ち上げたユニットの第一回公演。じわじわとくる狂気を描く筆致は変わらない。ひきこもりの少年(もう二十歳だから青年か)を抱える家族の苦悩と崩壊を描いているわけだが、善意のような狂気、攻撃のような防御、それらの合わさった気持ち悪さが心地良い。

 “異常者の近くにいる正常な人が実は本当の異常者だった”というパターンはさほど目新しいものではないし、この作品では中盤辺りからなんとなくその気配が強まっていったのでクライマックスの意外性は低いが、むしろ傍観者だと思ってた人がわりと首謀者の一人だったことに意外性を感じました。そこを狙ってたわけじゃなさそうですが。

 主人公の姉を演じていた佐藤みゆきは何気に4度目ですが、毎回全然印象が違うのですごい役者なんだと思います。今後も注目していきたい人。

 座・高円寺1の舞台は横幅が広く高さもあるため、上下左右に空間を使って複数の場所のセットを組んでいた。視覚的には必ずしも見やすいわけではないが、場面転換による間延びがなくて良かったと思う。

2011/01/22-14:00
ehon「SWEETS 「可哀想」にたかる蟻たちの話。
座・高円寺1/前売券3500円
作・演出:葛木英
出演:福山聖二/佐藤みゆき/古山憲太郎/成松慶彦/佐々木潤/久保亜津子/幸田尚子/瀧川英次/本井博之/廣瀬瞬/北見有理/葛木英
照明:伊東孝
音響:平井隆史
舞台美術:袴田長武/鴉屋
舞台監督:上島倫子
演出助手:北見有理/廣瀬瞬
衣装:浅利ねこ
映像:浦島啓
宣伝美術:two minute warning
宣伝写真:アライテツヤ
宣伝ヘアメイク:増田加奈
WEB:小林タクシー
制作協力:ヴィレッヂ
制作:武藤博伸/松島瑞江
プロデューサー:阿部敏信
企画・製作:ehon
提携:座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク
後援:杉並区


posted by #10 at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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