
二度目の東京オリンピックを半年後に控えた冬の日。(チラシより)
片足の無いランナーや、上半身の爛れた歌手が通うリハビリ施設に
両手両足を失った自衛官がやって来る。
彼は、自分をもう一度戦場で戦えるようにしてくれと義肢装具士に依頼する──。
手足も顔も本物以上が普通に供給されるようになっている近未来?の話。動力付きの“新型義足”を使えば速く走れる。人間よりずっと強くなって戦える。それを拒むランナーと、求める自衛官。そして顔を改めれば他人にもなれる時代に、あこがれの実現はどこまで許されるか?
提示されるテーマは「生身を超える義体はどう扱われるべきか」「自分の体とはどこまでを言うのか」の2点(と解釈した)。いずれも、考えるほど答が出なくなるだろう。つまるところ、本当の自分、あるべき自分、その定義の模索。
哲学的にならざるを得ない視点だが、舞台作品としてはそんな気負いなく楽しむことができました。どう展開するのか全く先が読めず、予想外の伏線などもあり、ドキドキしながら観劇。
2010/12/18-14:30
北京蝶々「あなたの部品リライト」
ギャラリールデコ4F/前売券2500円
作:大塩哲史
演出:黒澤世莉
出演:森田祐吏/岡安慶子/田渕彰展/帯金ゆかり/酒巻誉洋/菅野貴夫/横道毅/木村キリコ/熊川ふみ/金子久美
照明・音響:北京蝶々
舞台美術:大塩哲史
舞台監督:桜井健太郎
宣伝美術:満冨優子
制作:吉田千尋
製作:北京蝶々