“衝突安全ボディー”という印象深い劇団名は客演俳優の所属劇団として随所で目にしており、どんな所かとずっと気になっていたが、今回やっと見ることができた。
作品は想像以上にエンターテイメント精神に溢れ、笑いあり涙ありの展開でミュージカル並みに歌と踊りが多い舞台だった。とはいえ普通の台詞が歌になっているというわけではなく、ちゃんとストーリーに組み込まれた歌であり踊りであるのがミソか。
マダムキラー・パンクロッカー・ラッパーというおよそスーパーの店員らしくない華やかなバイトたちの青春群像を、生協の白石さんをイメージさせる穏やかなお客様係が上手にまとめる。そして最後は恋に破れた主人公のほろ苦い気持ちを描いて大団円へ。
登場人物はいずれもある種のステレオタイプなキャラクターで、振り返ってみればオーソドックスな構成と言えるだろう。しかし役者はそれぞれ素かと思うほど上手に演じていたし、歌と踊りが多い分、舞台装置や照明効果などは抑制気味だったことなどは、正統派の巧みさを感じる。
オープニングにはややぎこちなさを感じたし、ダンスのスローモーションやストップモーションで不安定さがあった点や、歌の場面で音が大きすぎて耳が痛くなる所があった点などの難点も目に付いた。しかし、それらを補ってあまりある勢いを感じさせられる舞台だった。
2006/05/07-14:00
衝突安全ボディー「スーパーヒーローイズム」
シアターグリーンエリア171/ウェブ予約2800円
作・演出:三浦香
出演:落合孝裕/下崎紘史/塚本淳也/石黒圭一郎/大竹浩一/三浦香/加古臨王/親泊義朗/井上優/大久保ちか/高橋悠/吉田直史/大橋美紀/高橋ゆうこ/岩下政之