2006年04月16日

壁ノ花団「たまごの大きさ」

 河原に女達がいて、自分の過去を話している。ある時は朗読するように淡々と、ある時はすがりつくように悲痛に。どこまで記憶でどこから幻想か、定かではない。やがて彼女達は死者であることが示されるが、どこへ行くのかは判らない。

 起承転結を持つ物語ではなく、幻想的な光景が綴られる演出は「踊らない舞踏劇」という印象を受けた。話の流れが存在しない(細かい部分では皆無ではないが、全体を通じたストーリーはない)ため、全てのシーンを独立した作品として鑑賞しているような感覚があり、一瞬の気の緩みで置いていかれる。ある種の緊張感を強いられる作品で、1時間程度しかなかったにも関わらず2時間を越えたような気がした。

 こう書くとあまり良くない作品だったかのようだが、緊張感は心地よいものであり、アートとしては秀逸だったと思う。この劇団をまた観る機会があれば足を運びたい。

2006/04/16-14:00
壁ノ花団「たまごの大きさ」
愛知県芸術劇場小ホール/前売券2500円
作・演出:水沼健
出演:筒井加寿子/牛尾千聖/岩田由紀/山口春美/谷弘恵
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 名古屋観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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たまごの大きさ
Excerpt: 壁ノ花団愛知県芸術劇場小ホール06/04/14-16 観劇日 04/15 14:
Weblog: 観劇の日々
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