起承転結を持つ物語ではなく、幻想的な光景が綴られる演出は「踊らない舞踏劇」という印象を受けた。話の流れが存在しない(細かい部分では皆無ではないが、全体を通じたストーリーはない)ため、全てのシーンを独立した作品として鑑賞しているような感覚があり、一瞬の気の緩みで置いていかれる。ある種の緊張感を強いられる作品で、1時間程度しかなかったにも関わらず2時間を越えたような気がした。
こう書くとあまり良くない作品だったかのようだが、緊張感は心地よいものであり、アートとしては秀逸だったと思う。この劇団をまた観る機会があれば足を運びたい。
2006/04/16-14:00
壁ノ花団「たまごの大きさ」
愛知県芸術劇場小ホール/前売券2500円
作・演出:水沼健
出演:筒井加寿子/牛尾千聖/岩田由紀/山口春美/谷弘恵