
「世界で一番眠い場所はどこですか?」そんなインタビューを軸に、眠りすぎる女や眠ることのない男が眠りのなんたるかを探している。あらすじを書くことが意味のない内容だということは百も承知の上で書くなら、そんなところだろうか。
劇中冒頭で語られるように、この作品は混沌としている。テキストが順番通りに演じられないというのが本当かどうかは知らないが、起承転結を語るようなものではない。ずらり並んだディスプレイと大きなスクリーンによる映像を多用し、眠りをテーマとして描かれる様々な光景が羅列されたような舞台だった。
なんとなくすごい感じはしたが、演劇というよりコンテンポラリーダンスを観たような観後観だった。遊園地再生事業団を観たのはこれが初めてだが、いつもこんな感じなのだろうか。
ラスト近くで、床に寝そべった女優に上から水をかけるシーンがあった。それを見ながら、次のステージまでに乾かすのか着替えるのかどっちなんだろうなどと考えてしまったのは、その時点で集中力が切れていたからかもしれない。
2010/10/16-19:00
遊園地再生事業団「ジャパニーズスリーピング 世界で一番眠い場所」
座・高円寺1/当日券4500円
作・演出:宮沢章夫
出演:上村聡/田中夢/牛尾千聖/岡野正一/川口聡/山村麻由美/伊沢磨紀/やついいちろう
音楽:桜井圭介
美術:林巻子
写真:鈴木理策
衣裳:irishcream
舞台監督:田中翼
照明:齋藤茂男
音響:半田充
映像助手:高橋祐子
演出助手:山本健介/近藤久志/石原裕也
デザイン:相馬称
制作:黄木多美子/笠木泉