タテヨコ企画の作品を観たのは2度目。前回同様、わかりやすい起承転結があるわけではないためあらすじは書きにくいものの、微妙に心情を揺さぶられる出来事が淡々と綴られる舞台であり、観後感は良い。これがこの劇団の特色だと思われる。
主役である旅館の主人を中心に、前妻・後妻・実の妹・義理の妹がいて、二人の妹にはそれぞれ婚約者と夫がいる。前妻が亡くなった経緯が少しずつ明らかになる中で、各人各様にすっきりしない思いを抱えていることが描かれていく。
明らかになることはあっても解決はなく、ただ飲み込むようにありのままに受け入れていく。そういう人々の心情を芝居で表現するのはかなり難しいことではなかろうか。いわば劇的でない事象を劇として演じているのだから、ある意味高度な技術だろう。しかしこの作品は上手に表現できていたと思う。
2006/04/01-15:00
タテヨコ企画「春のズボンと秋のブラシ」
駅前劇場/前売2500円
作・演出:横田修
出演:好宮温太郎/舘智子/鈴木歩己/高見綾子/舘完/青木亜希子/代田正彦/佐藤幾優/西山竜一/佐野陽一/藤崎成益/青木柳葉魚/中尾祥絵/服部健太郎/工藤治彦