
裏山の中腹にある防空壕から、海が見える。(サイトより)
山ノ下の海端からは、墓が見える。
「生きる意味が分からない。」「分からない。」
「馬鹿高い声で愛を叫んでみようか。」「静かな音!静かな音が耳について、狂いそうなんだ。」
石原正一ショーの石原正一が、毎回一人のゲスト出演者と外部脚本で創る中崎町ミュージアムスクエアの3回目。今回は伏兵コードの稲田真里が脚本を書き、デス電所の豊田真吾が出演。
石原正一も豊田真吾も、どちらかと言えば明るくはじけたイメージの方が強い。それに対して稲田真里の描く世界はひたすら暗く陰鬱な印象だ。両者が融合した舞台はさぞ味のあるものになると予想されたが、実際そのとおりだった。
ここに出てくる二人はどちらも悶々とした生活を送り、時々爆発しそうになっている。どうしたらそこから抜け出せるかも判らない。そんな状態を解決するというより折り合いをつけるような手段に出る。
気分としてはなんとなく共感できるけど、今の自分と重ねられるわけではない。その微妙な距離感を噛み締めながら観劇しました。
2010/09/18-20:00
中崎町ミュージアムスクエア「幸福論」
コモンカフェ/前売券2500円
脚本:稲田真理
演出:石原正一
出演:豊田真吾/石原正一
音響:御意
照明:加藤直子
小道具:島田麗子
衣装:金崎めぐみ
宣伝美術:チャーハン・ラモーン
宣伝写真:かつらかづみ
記録映像:森達行
制作:根岸ゆか里