2010年09月05日

こゆび侍「Sea on a Spoon」

seaonaspoon.jpg

 その村の言い伝えにある【救い手】は、一族を至上の幸福で満たされた最果ての地へ導くという。
やがて一族は【救い手】が導いた最果て、広大な海原に、ひとり残らず溶けていった―

 唯一の生き残りである少女は、原発のある海岸沿いの町で、静かに「つづき」を暮らしている。

 嘘をついて【救い手】になった少女の、生と死と贖罪の物語。


 これこれ、こういうのが観たくて小劇場に通ってるんだよと納得した。最初は穏やかで優しそうに見えた人々の、ドス黒い本性が次第に明らかになっていく緊張感。誰が誰と結託して誰を裏切っているのか。さらに悪いヤツがいるかもしれないという不安。正しい者が最後に勝つなんて保証のないシリアスさ。

 原子力発電所のある町が舞台で、一見社会的メッセージ性のある作品のように見えなくもないけれど、原発はあくまでもモチーフであり、描いているのは人間の怖い姿。ぞくぞくする作品でした。

 ところで、町役場の菊池役を演じていた佐伯佳奈杷さん、前半は今時のかわいい女の子という顔だったのが後半ジワジワと恐るべき正体を現していくのですが、最初のシーンからなんとなく悪役臭がただよってました。計算ずくなら怖い演技力です。初見な気がしなかったのですが自分の観劇記録に名前が見当たらず。

2010/09/05-13:00
こゆび侍「Sea on a Spoon」
王子小劇場/前売券2800円
作・演出:成島秀和
出演:廣瀬友美/佐藤みゆき/加藤律/福島崇之/飯田一期/工藤史子/桑原環七/佐伯佳奈杷/根津弥生/堀奈津美/吉田慎之介
舞台監督:橋本慶之
照明:兼子慎平(LaSens)
音響:ミ世六メノ道理(猫道節/バナナ学園純情乙女組)
音楽:松田幹
美術:稲田美智子
小道具:辻本直樹(Nichecraft)
宣伝美術:オカヤイヅミ/河野文明
制作:塩田友克
演出助手:阿部征暢(ゲンジツパビリオン企画) 池田靖浩
脚本協力:セリザワケイコ


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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