2005年01月16日

うるとら2B団「プロテクト・ミラージュ」

 薬害エイズ問題の主犯格の裁判が行われることになった。関係者の名を明かすことで司法取引による減刑を受けることになった被告は、裁判までとある倉庫に保護されることになる。彼を護衛するのは、それぞれ過去を持つ5人の非公式チーム。裁判所へ移送する日の夜明け前、暗殺者が忍び込む。

(以下ネタバレあり)
 新谷かおるの「砂の薔薇」にありそうな話だが、ディテールはそこまで凝っていない。コメディ作品と異なり、シリアスにまとめる場合は細部までしっかり作らないと白けてしまう。

 個々の役者の演技や場面ごとの演出は特に悪くないのだが、全体としてはやや切れ味に欠ける印象を受けた。取って付けたようなエピソードと御都合主義的な展開が多すぎて感情移入できなかったことと、説明的なセリフが多いにも関わらず特殊な状況設定に説得力が感じられなかったのが理由だと思う。

 まず被告を護衛するのになぜ警察や自衛隊ではない非公式なチームが使われるのか理解できない。「自衛隊は実戦経験がない」というセリフがあったが、こういう作戦自体が実戦経験なのだから、矛盾している。また、暗殺者が技術を身に付けるためになんでアフガンで傭兵してくるのか。都市での暗殺と紛争地帯での戦闘では、戦術がまったく違う。作者には「砂の薔薇」「パイナップルアーミー」「アップルシード」あたりを読んでもらいたい。

 ところで、時代劇における立ち回りは殺陣という様式が確立しているが、銃器を使った芝居にそういう様式はあるのだろうか? この作品でもガンアクションは多数出てくるが、どこか迫力に欠ける。実際に銃を扱ったことのある役者はいないだろうから、そこは様式が必要だと思うが、どうなのだろう。

2005/1/16-18:00
うるとら2B団「プロテクト・ミラージュ」
大塚ジェルスホール/当日券2000円
作・演出:門間利夫
出演:上素矢輝十郎/大野がく/野崎/隆司/八乙女真記子/伊東武志/平川瑞穂/吉沢千尋



posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京観劇1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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