大阪豊中市、職人達の汗と熱気と怒号溢れる工務店。(チラシより)
彼らは歌劇団を結成し、本職を超える情熱を叩き込んでいた。
しかし、小さな工務店の生き残りも難しい日々、
夢と現実の狭間でバラバラになる仲間たち。
そんなある日、歌劇団の作家でもある職人のヒロは、
かつての友人に再会。
その友人は、二十年前と全く同じ姿でヒロの前に現れた。
ヒロは思いだす。
── そう、かつてあの列車に乗ってしまった、あの友人だと。
一方ヒロ自身は、あの列車に乗らなかった。
── 二人の運命を変えた二十年前の分岐点。
幼い頃、たった一度の決断で運命は大きく変わってしまった。
その時から、今も、そしてこれからも、電車は血で走る。
元々関西の劇団でありながら、ちょうど私が関東から関西へ引っ越した頃に東京へ進出してしまった劇団鹿殺し。観るのは4回目ですが、初めて東京で観劇しました。本作は再演ですが私は初見。10周年記念でロングラン公演でした。
前回観劇した「スーパースター」はちょっと空回りな印象も受けた鹿殺しのパワフルさが、本作ではジワジワビリビリとこちらに伝わってきました。うっかり感情移入でもしようものなら一気に泣いてしまう熱を帯びた舞台でした。
舞台となっている庄内の工場地帯は、リアルに仕事で行くことがある場所で、次に行ったら思い出して泣くかもしれません。
2010/06/26-14:00
劇団鹿殺し「電車は血で走る」
東京芸術劇場小ホール1/前売券3900円
作:丸尾丸一郎
演出:菜月チョビ
出演:オレノグラフィティ/菜月チョビ/丸尾丸一郎/山岸門人/橘輝/傳田うに/坂本けこ美/高橋戦車/山口加菜/河野まさと/高木珠里/谷山知宏/今奈良孝行/田中慎吾/ちゃむ/富山恵理子/藤崎ルキノ/水野伽奈子/渡辺心/イダシンゴ/たぐちプラス/東加奈子/安田準