
もう若いこともない(チラシより)
あたしらやったのに
また
どっちかのさびしさが
どっちかにだけ
重かったりしたんやね
さよならも言えんぐらい
どんよりと
あんたは遠い
ひとになる
閉店するため片づけ終わった海辺のバーを舞台に、男と女の昔話、ちょっとした事件が起こり、出会いと別れがあって‥‥まあそんな話が静かに綴られていく。終わっていく淋しさが中心になっており、ほぼ全体が「過去を振り返る」ことで成り立っている。
終わりの淋しさを描くというのはよくあるパターンだが、その先にある未来への希望観たいので飾られる場合が多いだろう。この作品もそういうセリフがなくもないが、あまり重要ではない。淋しさそのものがちゃんと中心から外れずに描かれていたと思う。
私には幸か不幸か重ねられる経験もほとんどないので、どれだけこの舞台の味が理解できたか定かではないが。
2010/06/19-18:00
PM/飛ぶ教室「ぞわぞわ 泣きに行くよ、海へ──」
アイホール/当日券3500円
作・演出:蟷螂襲
出演:福井玲子/山藤貴子/白井哲也/北沢洋/牧野エミ/蟷螂襲