2010年06月20日

リリパットアーミーII「罪と、罪なき罪」

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 (前略)
明治13年。
開国以降、十数年が経ち、
人々が新しい時代の地に足を付け始めた頃。
 (中略)
そんな時、日本の外交を根底から覆す大事件が起きる。
ロシアの皇太子が日本の巡査に切りつけられて、
怪我をしたのである。
下手をしたら戦争になりかねない…
自由な風潮は一変する。
 (後略)
(チラシより/全文は続きに)

 1891年(明治24年)に起きた大津事件を題材にした作品ですが、史実をかなり脚色しています。正直言ってその脚色が安直すぎて好きになれませんでした。この事件は史実そのままでも描き方次第で相当にドラマチックになるものです。

 エンターテイメントとしてはさすがに歴史ある劇団で、盛り上げるツボを押さえてるなあと思える出来栄えでした。

2010/06/19-15:00
リリパットアーミーII「罪と、罪なき罪」
ABCホール/前売券4500円
作・演出:わかぎゑふ
出演:コング桑田/野田晋市/千田訓子/上田宏/谷川未佳/祖父江千夏/わかぎゑふ/粟根まこと/八代進一/茂山宗彦/曽我廼家八十吉/柊巴/美津乃あわ/森崎正弘/や乃えいじ/浅野彰一/ほか

※※※※※※※※※※※※
チラシに書かれていた文章の全文は以下の通りです。

罪とは…?
人は人の中でしか生きてはいけない。
その中に罪は潜み、罪は待っている。

明治13年。
開国以降、十数年が経ち、
人々が新しい時代の地に足を付け始めた頃。
明治人たちは新しい感覚を感じ始めていた。
新しい食べ物に慣れ、
新しい教育に慣れ、新しい結婚観に慣れて…。

行政の影響下にない、
真の司法の夜明けを目指す若き弁護士達も、
明治を謳歌することで、生きる喜びを感じ入っていた。
ある日は牛鍋屋で大いに飲み、恋を語り、喧嘩もし…
華族議員も、裁判官も、検察官も、
下働きの面々に至るまでが明治に酔っていた。

そんな時、日本の外交を根底から覆す大事件が起きる。
ロシアの皇太子が日本の巡査に切りつけられて、
怪我をしたのである。
下手をしたら戦争になりかねない…
自由な風潮は一変する。

若い弁護士達にはそれが許せない。
今こそ公平な裁判を!
今こそ本当の司法の夜明けを!
彼らは叫ぶのだが…
新時代の裏に綿々と引き継がれている
旧幕府の体制はそれを許さない。

果たして「罪」は裁きの庭に出てくるのか?
それとも、日本はまだ西洋列国の形だけを真似た
見せ掛けの新国家なのか。

罪とは?罪なき罪とは?
本当の罪の重さとは?
誰がそれを正しく裁けるというのか?

全ての人にそれを問う作品です。
posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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