高村光太郎の妻、智恵子の生涯を一人芝居で描く。明治の世に福島の裕福な家で育ち、地元の女学校を経て東京の女子大学で学ぶ「新しい女性」として歩む智恵子。やがて光太郎と出会い家庭を築くが、実家の没落を契機に少しずつ精神を壊していく。
智恵子といえば智恵子抄に描かれる恍惚の人のイメージが強いが、この作品に登場する智恵子はそれだけの人物では決してない。むしろ明治生まれの女性としては非常に先進的な強さと向上心にあふれていたことがわかる。智恵子自身が芸術家だったことすら私は知らなかったのだが、この作品を見て認識を改めた。
芝居を作ったことのない私でも、野田秀樹の名はしばしば目にする。正直言って今までその筆による作品で特に感銘を受けたことはなかったのだが、この作品で初めて「あ、野田秀樹ってすごい人なのかも」と思った。
一人芝居というものも初めて観た。1時間半演じきる役者のエネルギーには敬服する。厳密に言えば一部黒子が演技していたので完全な一人芝居ではないが、それで安藤雅子が楽をしているわけではない。個人的に出演者が少ない方が好きなので、こういう作品は良い。
智恵子抄くらいちゃんと読んでおこうと思う。
2005/1/8-19:00
オフィス・たま「売り言葉」
「劇」小劇場/当日券2000円
作:野田秀樹
演出:小田嶋学
出演:安藤雅子
2005年01月09日
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