2010年03月19日

(書籍)有川浩「シアター!」

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『シアター!』
有川浩著/メディアワークス文庫/330P/610円

 ノンフィクション以外の小説は読まないことにしていますが、下記のブログで紹介されているのを見て読んでみることにしました。いつも書評は時々色々に書いていますが、劇団の話なのでこちらに書きます。
有川浩氏『シアター!』は、ライトノベルの姿を借りた小劇場界へのダメ出しだ:fringe blog

 ライトノベルを読まないのでその特徴はよくわかりませんが、文体は「マンガを文章化したもの」という雰囲気です。目次の所に登場人物がイラスト付きで紹介されているせいもあって、本文もマンガ的表現が目に浮かぶような書き方でした。

 内容は上記ブログで指摘されている通り、小劇団が抱える問題をさらけだすような言及が多々見られます。私の場合は観客にすぎませんから彼らの実体はほとんど知りませんが、内情をよく知っている荻野氏が「小劇場界の実態がリアルに伝わる」と書かれているのですから、こんな感じなのでしょう。荻野氏は「小劇場界への辛辣なダメ出しになっている」と評しており、もしかしたら本当に作者もそのつもりだったかもしれません。

 昔から芸術家に経済感覚はなかったのでしょう。しかし昔は貴族などのパトロンがいて成立していたわけです。それが近現代に市民社会が成立してからは、政府か消費者にスポンサーになってもらう必要が生じた。そのためにはしっかりした制作者が求められるが、小劇場の世界ではまだ主催者(≒アーティスト)が中心になっているため、うまく進まない‥‥と言ったところでしょうか。

 恐らく関係者が読めば身につまされるのでしょう。一念発起して取り組む製作者が現れるかも知れません。この世界に興味のない人が読んでも面白くはないと思いますが、関係者は一読しておくべき小説だと思います。


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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