インターネットの自殺サイトを通じ、集団自殺のために集まった自殺志願者たち。しかし実際は本当に自殺したいものばかりではなく、さまざまな思惑をひめていた。そしてその裏側に現れた“他殺志願者”‥‥。ボーリング場?を舞台に繰り広げられるナンセンスワールド。
ほぼストーリーらしきものはないが、場の勢いは圧倒的。ただ飲み込まれて浸るのが正しい見方だろう。個々のキャラクターはいずれも破滅的だが魅力的。こういう芝居はどこまで徹底的にできるかが重要だが、そういう意味ではかなり良かったと思う。
自殺サイトを通じた集団自殺という話は実際のニュースでもたまに目にする。どのような経緯で彼らがそこに至ったかは分からないが、様々な葛藤を経てのことだろう。しかしこの芝居を見るにそんな感傷はいらない。また、殺し屋の青年に関する黒人に関する会話は、時に差別的でもある。不謹慎と言われるかもしれないが、そんな突っ込みこそくだらないと思わされる舞台だった。
2004/12/29 19:00
クロムモリブデン「ボウリング犬エクレアアイスコーヒー」
王子小劇場/前売券2500円
作・演出:青木秀樹
出演:板倉チヒロ/森下亮/重実百合/金沢涼恵/奥田ワレタ/信国輝彦/山本景子/齊藤桂子/ピエール大沢
2004年12月30日
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