
拘置所の独房に、喋り続けている男がいる。しかし、それはほんとうに喋っているのかどうか定かではない。(チラシより)
そして、そんな彼の隣の独房にひとりの男が新たに入った。そこで始まったふたりの会話は、思わぬ方向で盛り上がっていく……
簡素な舞台で戯曲は難解。恐らく役者の力量が相当に必要とされる作品だと思われる。主役はとても良かった。モノローグなのかダイアローグなのか判然としない(させない)語り方が逆に観客を取り込んでいく。
物語の筋はいまいちわからない。状況はだいたい飲み込めるのだが、結局なんだったの?という疑問が残った。答はあるかもしれないし、ないのかもしれない。しかし、独特の雰囲気を醸しだしつつ延々と喋り続ける男の様子が良かったし、観ていて飽きない。多分、そういう味わい方で良い芝居なのだろう。
“良く分からないけど面白かった”というタイプ。個人的には嫌いじゃないです。
2010/02/11-17:30
dracom「対局時計」
ウイングフィールド/当日券2300円
作・演出:筒井潤
出演:穴見圭司/筒井潤/村山裕希/神藤恭平