
子供の頃から、スーパースターに憧れていた。でも、僕にはなれないことも解っていた。スーパースターになる人は星を持っている。僕の歩んできた人生の中にも星を持っている者はいて、彼らは僕と違った。『才能』だとか、『環境』だとかで言い訳できるものではなく………星を持って生まれたとしか言いようがない。今、彼らが何をしているかは知らない。大人になって星を手放してしまった者もいるだろう。僕はというと、相変わらず星を掴めないかと試行錯誤している。僕は一生悩み続けるドン・キホーテなのだ。(チラシより)
劇団鹿殺しの10周年記念公演第一弾。私がこの劇団の公演を観るのは「僕を愛ちて。」「ベルゼブブ兄弟」に次いで3回目。
結論から言うと前2回に比べてインパクトは薄かった。期待が強すぎたのかもしれない。もちろん、ほとんどの他劇団に比べたらパワフルさは極めて高い。相変わらずの“アツさ”だ。舞台装置もすごかった。三階建てのアパートに見立てたセットを使った演出は客席を圧倒していた。
ただ、描かれているテーマは兄弟と家族の確執みたいなもので、前に観た二作品と非常によく似ている。それがこの劇団あるいは作家の得意分野なのかもしれないが、私の中ではマンネリ感が生まれはじめているのだ。たまたま私が観た作品がそうだっただけかもしれないが、この劇団のパワーが発揮できるテーマは決して限定されるものではないはずなので、もっと違った手法も観てみたい。
2010/02/06-19:00
劇団鹿殺し「スーパースター」
アイホール/当日券3900円
作:丸尾丸一郎
演出:菜月チョビ
音楽:李
出演:オレノグラフィティ/菜月チョビ/丸尾丸一郎/山岸門人/橘 輝/傳田うに/坂本けこ美/
高橋戦車/山口加菜/西田夏奈子/森貞文則/高木稟/政岡泰志/狩野 淳/田中蕗子/田中瑛祐/千田美智子/中本章太/和田真季乃