2009年12月05日

コトリ会議「もぐとパンをかじるのだ」

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鉄塔に上ってみるのだ
星の丸さを感じる程に
輪廻の景色が広がるのだ
移動するたくさんの人
倒れて流れたカモメの群れと
溢れ止まらん音と音
空が広がったまたその上に
昼間の星が瞬いた

もぐとパンをかじるのだ
あんなに遠くにいるのなら
せめて
私は土を踏み締め
あなたとわたしを思うのだ
(チラシより)

 ソ連とアメリカとドイツとパレスチナと、それから宇宙と。さまざまな場所と時間を交錯しながら、優しさと切なさと希望と絶望が入り交じった物語が綴られる。タッチはとても柔らかく、とぼけた調子でわらわらと演じられるのだが、描かれているテーマは実際とても深いものだ。

 ソ連がスプートニク2号に乗せて宇宙に送ったクドリャフカという犬は、最初から生還の予定がなかった。パレスチナで暮らす幼い少年少女は、イスラエル軍の侵攻によって殺される。どちらもいわゆる、理不尽な運命に翻弄されるキャラクターだ。

 一歩間違えれば憎悪の塊になってもおかしくない立場なのに、あくまでもコミカルに演じられるので最初はかなりミスリードされました。これはきっと、運命の受け止め方に対する提案なのだろう。一種の悲劇にも関わらず、観後感はやさしさで溢れたものでした。

 一見ドタバタした雰囲気でありながら、実は内容の割に抑制した演技演出だったんだと後から思いました。印象に残ったセリフは「僕が最後に怒ってしまったから‥‥」。

2009/12/05-19:00
コトリ会議「もぐとパンをかじるのだ」
ウイングフィールド/当日券1500円
作・演出:山本正典
出演:岩本真一/牛嶋千佳/笠江遼子/山本正典/小永井コーキ/出本雅博/寺尾有司/原聡子


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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