直立する電柱(チラシより)
影の直角三角形
電線の上の黒い鳥
多点透視のガラス窓
整列する少年少女
靴と裸足の並列
歌われる数式
噂に聞く維新派の公演、初めて観ました。今回は精華小劇場というさほど大きくない劇場の屋内空間のため、有名な野外公演に比べると規模は小さく、ショーケース公演とも言われているようです。
木箱に吊られた骨やガラクタのオブジェが舞台からはみ出して飾られ、客席まで包み込むように世界を作っていました。舞台上にも同じようなオブジェが大量に詰まれ、それが役者達によってパズルのように組まれては解体される様子は相当に見物でした。
ビジュアルにせよ音楽にせよ非常によく造り込まれた美しさは感じられましたが、ただ難を言えば途中で飽きる。全体を通じたストーリーがない(もしくは見出せない)ため、集中力を持続する拠り所がないのです。ただひたすら意味のわからないダンスを見続けるのは、ダンスそのものがいかに美しくても私には辛いものがあります。
似たような雰囲気の作品として少年王者舘が思い浮かびましたが、あちらは最初のうち意味不明でもだんだん物語が見えてくるものです。しかし維新派はまったく見えてこない。楽しみ方がまだつかめていないからでしょうか。色々と消化不良の印象が残りました。
2009/11/21-18:00
維新派「ろじ式 〜とおくから、呼び声が、きこえる〜」
精華小劇場/前売券4000円
作・演出:松本雄吉
出演:岩村吉純/藤木太郎/坊野康之/森正吏/西塚拓志/金子仁司/中澤喬弘/貝田智彦/石本由美/平野舞/稲垣里花/江口佳子/中麻里子/尾立亜実/境野香穂里/大石美子/大形梨恵/土江田賀代/田口裕子/沙里/近森絵令/吉本博子/石橋秀美/市川まや/今井美帆/小倉智恵/木下なず奈/桑原杏奈/ならいく/松本幸恵/森百合香/長田紋奈