2009年10月24日

shelf「私たち死んだものが目覚めたら When We Dead Awaken」

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〈劇的エピローグ〉という副題のついたこの作品は、
文字通りイプセン最後の作品となった。
主人公である彫刻家ルーベックが吐露する自己断罪と新生への希求は、
そのまま作者自身のものとして迫ってくる。

戯曲の真価を舞台で発揮するのは非常に困難とされてきた本作──
写実主義から象徴主義へと移行するイプセン最後の戯曲を以て、
近代を越え、現代を照射する作品に再構成します。
(チラシより)

 東京の劇団shelfの京都公演。私がshelfを観るのは2回目です。前回の感想(2006/05/03「R.U.R. a second presentation」)に書いたように、主催者で演出家の矢野さんとは面識があります。なのであえて誉めないようなことを書きますが:

 作品は前回も今回も、とても美しい舞台でした。過去に私はメガトン・ロマンチッカーの舞台を「どの瞬間を切り取っても絵になる」と評しましたが、美しさではその上を行きます。しかし、メガチカの舞台には美しさと猥雑さが同居した上で「絵になる」と感じたのに対し、shelfの舞台は美しさしか感じない。

 例えばウルフハイムという登場人物は、野卑で俗物というキャラクターのはずなのに、やっぱり美しくて「貴族が野蛮人を演じている」ように見えてしまう。同じ人物が語り手の役も果たしていたせいもあるでしょうが、演出あるいは演技として、あれで良いのだろうか?

 芸術を上手に論ずる言葉を知りませんが、どろどろ・ざらざらな部分もあるはずの物語なのに、全体にさらさらな感触で統一されてしまっていたような気がします。

2009/10/24-19:00
shelf「私たち死んだものが目覚めたら When We Dead Awaken」
アトリエ劇研/前売券2500円
原作:ヘンリック・イプセン
構成・演出:矢野靖人
出演:阿部一徳/櫻井晋/山田宏平/秋葉洋志/片岡佐知子/川渕優子/大川みな子


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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