1999年1月。とあるアパートに住むマンガ家が締め切り直前で編集者の影にビクビクしていると、やってきたのは編集者ではなく怪しい男。彼は自分がノストラダムスに予言された恐怖の大王で、半年後に地球を滅ぼすまでホームステイさせろと無遠慮に要求してくる。
学生劇団から派生して3年目、公演もまだ6回目ということでそれほど大きな期待はせずに足を運んだのですが、なかなかの掘り出し物でした。久しぶりにお腹を抱えて笑える芝居で、よくできていました。
複数のマンガ家が暮らしているアパートと言えばトキワ荘を思わせる設定ですが、ここに登場するのは「マンガをこよなく愛する作家」ではなく、「その場しのぎの連続でなんとか乗り切っていこうとする」むしろダメなタイプ。編集者から逃げるために部屋にいくつもの抜け道が用意されている時点で努力の方向が間違っているだろう。しかしそこへ現れた宇宙人はもっと根性が曲がっているのだ。
オープニングでアッと驚く“どんでん返し”を見てまず笑ってしまったが、そこから最後まで楽しい気分が醒めることなく観劇できた。いくつか大きな仕掛けもあったが、これと言って特に奇抜なことをしているわけではなく、いわばコメディの王道を行く作品だと言えるだろう。次回作にも期待したい。
2006/01/09-19:00
とくお組「宇宙ロケットえんぴつ」
OFF・OFFシアター/当日券2200円
作・演出:徳尾浩司
出演:篠崎友/堀田尋史/鈴木規史/永塚俊太郎/北川仁/岡野勇
2006年01月09日
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