長久手町文化の家/前売券3500円(1日通し券)
■帰ってきたゑびす(東京)10:00-11:00
「ワーニおじさん」
荘厳なビジュアル演劇。登場するのはワニ、タコ、イカ、ウニ、ヘビ。暴君のワニに捕えられたタコ、通り掛かりの家族(なぜか父イカ・母ウニ・娘ヘビ)の緊迫した交流。展開は単純なものだが、ひるがえる大布によるワニの表現や太極拳のようなゆっくりとした動きで迫力を作り出すシーンが印象的。千年女優の動的なビジュアルと対照的。
タイトルはチェーホフのパロディーだと思いますが、チェーホフのワーニャ伯父さんは読んだことも観たこともないので比較できませんが、雰囲気はシェークスピアっぽい気がしました。
■座”K2T3(福岡)11:15-12:15
「ルールブック」
コントショー。ルールをテーマにした4つのネタ(観劇、ビジネス、フォーム、ドレミの歌)。女性ばかりですが全身タイツや身体表現に力を注いだ肉体派のエンターテイメント。最初はなんだかよく分からない感じでしたが後半は爆笑できました。
サイトを見るといつもコントショーというわけではなく、普通の演劇もやっているようなので、そちらの方も観てみたいと思いました。福岡なのでなかなか難しいですが。
■劇団スマイルバケーション(名古屋)12:30-13:30
「さすらいダンボール」
ホームレス貧乏家族の女子高生夏見と、鬼すらびびる伝説のヤンキー(二回ダブッて20歳の高校生)のカップル。女子高生の父はいつも熱く、母と兄は優しく、弟も仲良し。夏見は卒業したら結婚すると言い出し、資金を捻出するため父は立ち上がり家族が団結する。
吉本みたいなドタバタ喜劇。私が名古屋にいた頃は観た覚えがないので新しい劇団だと思われます。もう少し小さい劇場で見た方が面白そう。パワーは感じますので、今後も頑張ってほしいです。
■劇団C-Factory(名古屋)13:45-14:45
「シャインズマン」
戦隊風キャラクター「シャインズマン」を演じるおもちゃ会社の庶務課社員たち。熱血漢や朴念仁やら純朴やら横恋慕やらの絡み合った甘酸っぱい恋物語のハートウォーミングコメディ。古典的演劇と言ってよいでしょう。ある意味ベタすぎて書くことがありません。神出鬼没なおばあさんが良い味を出していました。
■ニットキャップシアター(京都)15:15-16:15
「サルマタンXvsドクターベン〜こだわりすぎた男達〜」
小学校のトイレでいじめられた男が30年間ウンコをせず怪人のような博士になり、ヒーローとなったいじめっこに復讐を謀る。とにかく徹底的なシモネタ舞台。ウンコとセックスのネタが半分以上を占め、客席まで降りてくる奔放さ。めちゃくちゃとしか言えない下品な中身だが、なぜか不快ではない。でも不快に思う人もいるだろうなあ。
京都の劇団は前衛的なところが多いという印象がありますが、ここもかなりすごい。作・演出のごまのはえは役者としても各所に客演しており、多才な人だと思います。
■特攻舞台Baku-団(大阪)16:30-17:30
「ピッツァ・ヒーロー・ミックス・Lサイズ」
ヒーローたちの青春ドラマコメディ。怪人と戦うために改造された3人組だが、実はあまり仲がよくなくケンカばかりしていた。ある日現れた巨大怪獣と戦うはめになり、博士が作った機械で合体巨大化しようとするが、なんどやっても合体できずに体が入れ替わってしまい、いつまで経っても戦いに行けない。
体と心が入れ替わった時の芝居はありがちですが上手に演じていました。劇団の売りであるらしい、鍛え上げた役者の肉体は確かに立派です。
■負味(東京)17:45-18:45
「負味と申します」
ショートコント集。映像を使った作品が多く、全体の3割くらいを占めていたような気がする。コントは、オチがあるようなないような意味不明のものも多く、レベルは微妙だが、それも「負味」というスタイルの一部かもしれない。
■坂口修一(大阪)19:00-20:00
「煙突」
怒濤の一人芝居。代役専門の役者である梅が記者を前に、敬愛する兄貴分だったサッちゃんの思い出を語る。わずかな小道具だけで臨場感を出す力量は圧巻。昭和の情景が目に浮かぶように描かれ、一人芝居の神髄を見せてもらったように感じた。落語や講談もそういうものかもしれないが、本当の芸とはこういうのを言うのでしょう。
大阪で1年間毎週一人芝居をしていることは知っていましたが、平日なので結局一度も観られず、ここで観ることができて非常に嬉しかったです。次の公演がいつかわかりませんが、是非行きたいと思いました。