展開としては前作(耽餌)ほど不気味ではないが、やはりどこか陰気で屈折した人々ばかりが現れる暗い舞台。もちろんそれがこの劇団の持ち味だろう。絶対に身を置きたくない場所と時間を疑似体験させてくれる。
そういう芝居を観て嬉しいかどうかは人それぞれ。だが年末の公演にも関わらずほぼ満席の盛況ぶりだったのは、それが好きだという人が少なくないのだろう。奇妙なものだと思うけれど、なんとも目が離せない。
2005/12/29-18:00
乞局「雄向葵(オマワリ)」
王子小劇場/ウェブ予約2500円
作・演出:下西啓正
出演:青木宏幸/秋吉孝倫/小島フェニックス/佐野陽一/下西啓正/三橋良平/五十嵐操/石井汐/鈴木亨/二宮アカリ/古川祐子