2008年11月23日

壁ノ花団「アルカリ」

お前は知らないだろうが、私はお前の家に長いあいだ住んでいる。
お前の靴は私にピッタリだし、バナナが好きなのもありがたい(私は歯がないのだ)。
お前がいなくなる昼間、わたしはそれを食べ、まだ新しいお前の靴を隠す。
荒地にある廃屋に住む女がいて、その廃屋にいつのまにか住みつくようになった元戦争捕虜がいる。
猫がいて、その猫がいなくなる。そもそもその前に休戦がある。女は灰を集めて過ごし、元戦争捕虜がそれを見ている。
またひとり元戦争捕虜が収容所から逃げて来る。故郷に帰るのだという。
故郷に帰って、この戦争でなにがおこったのかについて書くのだとバナナを食べながらもごもごいう。

(チラシより)

 壁ノ花団を観るのは2回目。1回目は名古屋にいた頃で、「たまごの大きさ」を観た。およそ2年半も前だが、舞台装置がとても芸術的で、まさに“舞台美術”と呼ぶにふさわしい印象だったのを覚えている。

 今回もそれは同様だ。一面に散らばった古いトランクの数々と、正面の黒板。柔らかい光の使い方。抑えた中にもテーマを感じさせる光景が構築されていた。

 芝居の内容はこれまた不思議なもので、故郷へ帰る元戦争捕虜が廃屋で過ごすというのは、現代の戦争ではあまり期待できる情景ではないだろう。19世紀頃のヨーロッパの小説みたいなイメージだ。実際はそういう小説をあまり読んでいないので知らないけれど。

 アートを堪能したなあ、と思いながら帰ることができた。

2008/11/23-15:00
壁ノ花団「アルカリ」
アトリエ劇研/前売券2800円
作・演出:水沼健
出演:内田淳子/亀井妙子/金替康博/F.ジャパン


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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