探偵小説とは、混沌(カオス)に秩序(コスモス)を与えて組織するあるひとつの試みである。(チラシより)
冴えない探偵とその助手。
田舎の原っぱで見つかった死体。
居合わせた人々、推理?、捜査?、証言?
粗筋を上手に書くのは困難なタイプの作品で、実験的とでも言えば良いのだろうか。舞台の奥には客席と向かい合うようにダミーの客席が組まれており、登場人物は時折そこに戻っていく。探偵たちは事件の起きた空間とは別の次元にいるようで、事件を語っているのかどうかすらわからなくなる。
事件を解き明かすべく話が展開していくのではなく、事件をとりまく登場人物たちの姿と言葉を材料にしたコラージュを仕立てているような舞台だった。
そう思って観ればそれなりにアートなものではあるが、正直言ってこちらの頭の中にカオスを植え付けられた感じ。
2008/11/01-19:30
空の驛舎「KOSMOS」
アイホール/当日券2700円
作・演出:中村賢司
出演:三田村啓示/津久間泉/塚本くるみ/高橋理紗/石塚博章/中村京子/幸野影狼/佐々木淳子/辻登志夫/橋本健司