北陸地方のとある中核市。(チラシより)
椚池家[くぬぎいけ]の当主が、死んだ。
その娘であるシオリは、
仏壇の前で呆然と遺影を見つめている。
「…これから、どうしよう」
夫のタツマサは、自室でネットゲームをしたまま、
ひきこもって出てこない。
長男のタツヒデは、優しい男だが、何かを隠している。
長女のリカは、知らないうちに派手な男と籍を入れ、
私に海外に移住しろとせがむ。
何のために、この家の主婦をしてきたのだろうか。
あとどのくらい、この家の主婦ができるのだろうか。
シオリは、食器を洗いながら、毎日のように考える。(後略)
いつも豪華なデザインのチラシで目を引く兎町十三番地、公演は始めて観ました。きらびやかな歌とダンスを盛り込んだショータイム的な構成は恐らく今回に限らず、劇団のカラーなのでしょう。宝塚のように好きな人はとことんまで通いそうな感じ。
飲み込まれると心地よい空間がしっかり構成されていました。ダンスは明らかに素人じゃない動きで、しっかり鍛練されていると思います。
ただ、母親やお婆さん役がどうにも若すぎる印象はぬぐえませんでした。出身大学を中心に結成された劇団なので年配の役者がいないのでしょうが、老け役を上手く演じられる役者ならもう少しそれっぽい雰囲気が出せたと思います。そういう所はあまり重視していないのかな。
2008/09/06-14:00
兎町十三番地「家族前奏曲(プレリュード)」
アイホール/前売券3500円
作・演出:中川昌紀
出演:広川文/新良エツ子/藤本有加/宿南麻衣/吉田憲章/興津教光/伊地田周作/田渕法明/顎(まこと)/奥出鉄也/前田有祐/もりのくるみ/樋口未芳子/兎川純