2008年07月20日

イキウメ『表と裏と、その向こう』

今より少し未来。
ユビキタス特区(地区全体が情報化されたモデル都市)として
ゼロから開発された初の地区。
生体情報を元にしたIDひとつで、
すべての経済活動、健康状態から行動履歴まで
管理されている、数値化された人間の住む町。
(チラシより)

 上記の文章では管理社会を扱ったSF作品のような印象を受けるが、中身はもっと泥臭い人間ドラマ、SFよりオカルトに近い部分もありました。

 IDで管理されている社会の無機質性も表現されていますが、もう一つのテーマである時間の切り売り(文字通り自分の時間が奪われ、お金を貰う)という奇妙なシステムの前提として必ずしもその設定が必要とは感じられず、アイデアを生かしきれなかったように思いました。

 それでも、要所要所の演出と演技は観客を充分に惹き付ける魅力のあるものでした。時間取引を探ろうとする記者やコンビニ店長(を装うエージェント)の掛け合いで脱力した笑いを楽しみ、死を察したヒロインの鬼気迫る様子は思わず息を飲みました。

 全体として、味の濃い舞台だったと思います。イキウメの作品は前回(散歩する侵略者)以来2度目ですが、今後とも注目していきたい劇団です。

2008/07/20-13:00
イキウメ「表と裏と、その向こう」
HEP HALL/前売券3500円
作・演出:前川知大
出演:浜田信也/内田慈/盛隆二/西牟田恵/安井順平/岩本幸子/緒方健児/森下創


posted by #10 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 関西観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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