祖父が戦時中にくすねた銃を、(チラシより)
不登校の少年へ分配する。
これはお守りであって、
それ以上でもそれ以下でもない。
繰り返す。
それ以上でもそれ以下でもない。
その庭で急逝した伝説的なミュージシャンの歌を繋がりとして、不登校の子供達が集まる家。その管理者の息子として育った主人公は引きこもりとなるが、祖父のピストルを得て何かが変わる。
武器を持つことで強くなった気がして、いざとなればやれるという気持ちにすがって自分を保つ。強くなかった子供ならそういう経験のひとつやふたつ、あるのではないか。でも本当の勇気を持てた時はそれをやめるのだ。自分の心が武器になるのだ。
さて本作の主人公はどうだろう。結果的に銃を失うまですがり続けた彼は、やはり弱い子達だと思う。ああいう子供を大人はどう扱うべきかは難しい問題だが、最後は本人が見つけるしかないのだろう。
繊細な少年を見事に演じた小沢道成が良かった。また、第3部で激しい議論?を繰り広げた先生たちもまた等身大で親しみが湧いて面白かった。思ったことが全部口に出てしまう理科教師はぜひ友達になりたいと思った。
2015/03/29-14:00
MU「少年は銃を抱く」
駅前劇場/当日精算3800円
脚本・演出:ハセガワアユム
出演:小沢道成/斉藤マッチュ/青木友哉/古屋敷悠/佐々木なふみ/古市海見子/小園茉奈/鳴海由莉/真嶋一歌/久保亜津子/森久憲生/岡山誠/山崎カズユキ/宮田智佳/菅山望/大塚尚吾/ししどともこ/友松栄/佐野功/成川知也/小野塚老
続きを読む:スタッフリスト